Letter

細胞:哺乳類ミトコンドリアのポルフィリン輸送体の同定

Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05125

細胞内膜を横断する陰イオン性ポルフィリン(例:ヘム)の移動は、多くの生物学的過程にとって極めて重要であるが、そのミトコンドリアへの転移と、ヘム生合成との協調に関しては明らかにされていない。単離したミトコンドリア内部へのポルフィリンの輸送は、負に荷電している環境中への陰イオンの移動から予想されるとおり、エネルギー依存性である。ATP結合カセット輸送体は、膜を通過する物質の能動輸送を促進する。我々は、細胞内ポルフィリン量が増加するとミトコンドリアのATP結合カセット輸送体ABCB6の発現が増加(ヒトおよびマウス細胞でのメッセンジャーRNAおよびタンパク質の増加)することを見いだし、ABCB6がポルフィリン輸送機能をもつという仮説を立てた。さらに我々は、ABCB6がヘムの生合成に機能的に連結していると予測した。その理由は、ABCB6のmRNAがヒトの骨髄およびCD71+の初期赤血球系細胞の双方に認められ(データベース探索による)、我々の研究から、ヒトの胎児の肝臓ではABCB6が、マウス胚の肝臓ではAbcb6が高度に発現されることが示されたからである。本論文では、ABCB6がミトコンドリア外膜のみに局在し、ミトコンドリアのポルフィリン取り込みに必要であることを示す。細胞内のポルフィリン量増加に応じてABCB6の発現が増加すると、ミトコンドリアのポルフィリン取り込みがde novoポルフィリン生合成を活性化する。Abcb6遺伝子の発現を抑制すると、この過程は遮断される。今回の結果は、ポルフィリンの細胞内移動およびヘム生合成の制御因子に関するこれまでの仮説に異議を唱えるものである。

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