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生化学:AB5サチラーゼ細胞毒素は小胞体シャペロンBiPを不活性化する
Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05124
病原菌が産出するAB5 毒素は、真核生物に必須の細胞機能を損なう酵素活性をもつA サブユニットと、標的細胞への取り込みにかかわる5 量体であるB サブユニットで構成される。AB5 毒素には、志賀赤痢菌、コレラ菌、百日咳菌の各毒素、および最近発見された4 番目のファミリーで、志賀毒素を産生する大腸菌 (Escherichia coli)の一部が作り出すサチラーゼ細胞毒素が含まれる。本論文では、この毒素の真核細胞に対する極めて強い細胞毒性は、細胞に必須な小胞体シャペロンBiP/GRP78の特定の1 か所での特異的切断によることを示す。A サブユニットは、サチラーゼ様のセリンプロテアーゼで、構造研究から活性部位に異常に深い裂け目があることが明らかになり、この形が極めて高い基質特異性をもたらしている。BiP の標的部位にあるアミノ酸1 個を置換すると切断は妨げられ、切断耐性をもつこの置換タンパク質を共発現させると、遺伝子導入細胞は毒素から保護された。BiP は小胞体機能の主要な調節因子であり、サチラーゼ細胞毒素によるBiP の切断は、これまで知られていなかった細胞死誘導機構である。

