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海洋:ダンスガード- オシュガー・サイクルを通じた 亜熱帯北大西洋における急速な塩分振動
Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05121
最終氷期における急速な気候温暖化振動、すなわちダンスガード- オシュガー・サイクルが、極へ向かう熱フラックスの調節を通じて北大西洋における南北方向の鉛直循環の変動と結びついていたことが、地球化学的・堆積学的証拠から示唆されている。北からの冷たい融解水と、南からの温かく塩分の多い亜熱帯旋流水との間のつり合いが、この気候大変動期における北大西洋鉛直循環の強さと位置に影響していた。本論文では、これらのサイクルを通じた海洋- 大気系の急速な再構成が、北大西洋の亜熱帯旋流の塩分変動とどのように結びついているのか調べた。我々は、4 つのダンスガード- オシュガー・サイクル(59.2 kyr 前~45.9 kyr 前の期間) にわたるMg/Ca 比による古温度測定と、浮遊性有孔虫の酸素同位体比測定とを結びつけて、亜熱帯旋流の深海堆積物のコアから海水塩分の代理指標の記録を作り出した。北大西洋旋流の海面塩分は、塩分の多い亜氷期の状態と塩分の少ない亜間氷期の状態との間で急速に振動し、熱帯大西洋の水循環と北大西洋の鉛直循環に起 こったと推測されるシフトと共変動していたことが明らかになった。これらの塩分振動は、亜氷期に北大西洋への降水量減少および深層の塩分の多い熱塩水の移出低下、あるいはこのどちらかが起こったころを示唆している。亜氷期における塩分の増加が、亜間氷期への移行に際して北大西洋の表層水の密度の増大を助け、深層 に達する鉛直循環と高緯度域における温暖化への急速な回帰が起こるように、北大西洋の条件をあらかじめ整えていたと考えられる。

