Letter 部分溶融した集合体におけるメルトの動態とせん断帯の局在 2006年8月10日 Nature 442, 7103 doi: 10.1038/nature05039 地球の構造境界に沿って存在する火山には、マントル中で生成されたメルト(溶融体)が供給されている。しかしながら、こういうメルトがどのようにして抽出され火山に集中するかはまだわかっていない。本論文では、大洋中央海嶺の下に集中するメルトにかかわる新しい理論研究の結果を提示する。室内実験をモデル化することにより、マグマ動態の定式化を検証し、実験でみられた間隙率が高くせん断変形が集中した局所的な帯に対する説明を与えた。このような帯は剪断面に対して15°〜25°の角度で出現して、そのまま維持される。このような系に対する過去の理論的研究では、メルトの帯の出現は予測されていたが、その角度が実験とは矛盾していた。今回の結果から、観測された帯の角度は、間隙弱化による変形機構とひずみ速度弱化による変形機構とのつり合いから生じていると考えられる。ひずみ速度弱化が大きいと、帯の角度は小さくなると予測される。帯の角度がこのように小さいことから、大洋中央海嶺下のメルト帯の方向が推定され、それが海嶺軸に向かってマグマが集中するのを強化している可能性が示される。 Full Text PDF 目次へ戻る