Letter

量子ドットにおける超電流反転

Nature 442, 7103 doi: 10.1038/nature05018

2個の超伝導体がトンネル障壁のような弱リンクによって電気的に連結されると、零抵抗の超電流が流れることがある。この超電流は、電荷が素電荷eの2倍にあたる結合した電子クーパー対によって運ばれる。2e電荷量子は、マイクロ波を照射したジョセフソン接合における電圧ステップの高さとして、また、超伝導量子干渉デバイスにおけるh/2ehはプランク定数)の磁束周期となって明瞭な形で現れる。本研究では、局所的に静電ゲートをかけて半導体ナノワイヤ中に形成した量子ドットを通る超電流について調べた。強いクーロン相互作用のため、電子は量子ドットの離散エネルギー準位を通って1個ずつしかトンネルできない。そのような状況でも、連続するトンネル事象がコヒーレントであれば、超電流が生じる。このような量子コヒーレントなトンネリング過程から、正あるいは負の超電流、すなわち、正常な接合あるいはπ接合のいずれかが生じる。この超電流は、量子ドットに1個の電子スピンを加えると符号が反転することが実証された。量子ドットの励起状態が輸送に関係すると、その超電流の符号は軌道波動関数の性質にも依存するようになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度