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Sub1Aはイネに冠水耐性を与えるエチレン応答因子様遺伝子である

Nature 442, 7103 doi: 10.1038/nature04920

イネ(Oryza sativa)の栽培種のほとんどは、1週間以内の完全冠水で枯死してしまう。これは南アジアおよび東南アジアの稲作にとって大きな制約であり、1年間に10億米ドルを超える損害をもたらして、世界で最も貧しい農業生産者に相当大きな影響を与えている。インディカ亜種の栽培種FR13Aなどごく一部の品種は、第9染色体の動原体近傍にSubmergence 1Sub1)という重要な量的形質遺伝子座をもつために冠水耐性が高く、2週間までの完全冠水では枯死しない。今回我々は、エチレン応答因子をコードすると考えられる3つの遺伝子から成るクラスターをSub1遺伝子座に見いだした。このうち、Sub1BおよびSub1Cの2つは、分析した全イネ・アクセションのSub1領域に例外なく存在している。しかしSub1Aは、アクセションによって存在しないものがある。分析の結果、この遺伝子をもつインディカ系の変種から2種類の対立遺伝子が同定された。耐性特異的対立遺伝子のSub1A-1、および不耐性特異的対立遺伝子のSub1A-2である。冠水不耐性のジャポニカ亜種でSub1A-1を過剰発現させると、冠水耐性が向上すると共に、Sub1Cが下方制御、Alcohol dehydrogenase 1Adh1)が上方制御され、Sub1A-1が冠水耐性の重要な決定因子であることが示された。マーカーを用いた選抜により、FR13AのSub1遺伝子座を、アジアで広く栽培されているイネ栽培種に移入した。この新たな変種は、収量の高さなど反復親がもつ農業上の特性を維持しながら、冠水にも耐性を示した。この変種の栽培により、農業生産者は洪水による損害を防止し、作物を守ることができると期待される。

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