Letter 左右相称動物と刺胞動物のHox遺伝子補集合から推測される最小のProtoHoxクラスター 2006年8月10日 Nature 442, 7103 doi: 10.1038/nature04863 左右相称動物は、主な体軸のパターン化に必須であるHox遺伝子クラスターと、ParaHox遺伝子クラスターをもっている。Hox遺伝子群とParaHox遺伝子群の比較から、どちらの遺伝子群もProtoHoxとよばれる祖先遺伝子クラスターから重複によって生じたものだと推測されており、ProtoHoxは少なくとも前方と後方のHox/ParaHoxの祖先遺伝子をもち、最大で4つの遺伝子を含んでいたと考えられている。しかしながら、左右相称動物以外での体系的な研究が行なわれてこなかったため、ProtoHox、Hox、ParaHoxのクラスター内での遺伝子多様化の過程はいまだに不明である。本研究で、我々は2種の刺胞動物(Nematostella vectensisとHydra magnipapillata)において、すべてのHox/ParaHox遺伝子補集合とゲノム構成の特性について解析し、3つの理由から、ProtoHoxクラスターは当初考えられていたよりも単純であることを示す。第1に、この両種は左右相称動物様の前方Hox遺伝子群をもっているが、これらのもつ非前方Hox遺伝子群は、左右相称動物の中央や後方のHox遺伝子に対応する遺伝子群ではないとみられる。第2に、N. vectensisでは、XloxおよびCdxに対応する遺伝子とGsxの2つのクラスター化したParaHox遺伝子が認められる。第3に、左右相称動物のCdxと後方遺伝子が共通の起原をもつことを明確に裏づける系統解析結果は得られず、したがってこれらの遺伝子はProtoHoxクラスターの重複の後に現れた可能性がある。これらのことから、ProtoHoxクラスターはわずか2つの前方遺伝子から成っていたと思われる。非前方遺伝子群はHoxクラスターとParaHoxクラスターでそれぞれ独立に、おそらく左右相称動物と刺胞動物の分岐後に生じた可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る