Letter 南アフリカ、バーバートン地域における変成作用から得られた始生代中期の沈み込みの記録 2006年8月3日 Nature 442, 7102 doi: 10.1038/nature04972 プレートテクトニクスは現在の地球での中心的な地質学的過程であるが、始生代(40億〜25億年前)におけるその存在と形態については論争が続いている。この時代における沈み込みの存在については特に異論が多いが、それは沈み込み帯に特徴的な鉱物集合体、通常は15 ℃km-1以下という見かけの地温勾配の記録が、始生代のものとされるin situの岩石に記録されていない(記録された最も低い見かけの地温勾配は25 ℃km-1より大きい)からである。岩石の記録がないにもかかわらず、キンバライト中のエクロジャイト粒は始生代の地温勾配が低いことを示唆しており、堆積に関連した構造と考えられるものを含む沈み込み過程の状況証拠は、始生代の地域で報告されている。しかしながら、空間的にも時間的にもよく絞り込まれた、高圧・低温下での変成が見つからないため、地球史の最初の15億年間における沈み込みにより駆動されたテクトニクスの妥当性には疑問がもたれている。本論文では、始生代中期のバーバートン花崗岩質グリーンストーン帯の地殻にある角閃岩からザクロ石と曹長石を含む鉱物集合体が得られ、これが温度600〜650℃で圧力1.2〜1.5GPaを記録していることを報告する。このような条件は、12〜15 ℃km-1の地温勾配を示しており、これは最近の沈み込み帯でみられるのと似た値で、構造的には上にあるバーバートングリーンストーン帯の集積テレーンの主要相と一致している。この高圧低温条件は、初期地球の進化の過程に、温度が低く強度の高いリソスフェアに対する変成作用のみならず、沈み込みにより駆動されるテクトニクス過程があったことの証拠となる。 Full Text PDF 目次へ戻る