Letter 初期宇宙における星のフィードバックによる銀河中心からのカスプの消失 2006年8月3日 Nature 442, 7102 doi: 10.1038/nature04944 標準宇宙論モデルは現在、初期の宇宙を直接観測した結果によって強く制約され、大規模スケールおよび中規模スケールの進化の記述では、非常な成功をおさめている。しかし残念なことに、銀河規模のより小さなスケールでは重大な矛盾が残っている。小規模スケールの問題で主なものの1つが、銀河の暗黒物質ハローの密度プロファイルが平坦なコアをもつことを示唆する近傍銀河の観測結果と、ハロー密度が中心部で発散する構造(カスプ構造)をもつことを示す宇宙論的モデルとの間にある、重大でずっと解決されていない矛盾である。本論文では、小さな原始銀河では、こうした系で予測される大きさのガスのランダムな全体運動が、比較的短い時間スケール(約108年)で中心の暗黒物質のカスプを平坦化することを示す数値シミュレーションについて報告する。初期の銀河におけるガス全体の運動は、進行中の星形成から生じる超新星爆発によって駆動される。我々のメカニズムは一般的であり、赤方偏移z≧でのすべての星形成銀河において働いていたと考えられる。カスプは一度消失したら、大きな銀河への発達にかかわるその後の合体の間に再び出現することはない。結果として、現在の宇宙では小さな銀河と大きな銀河の両方が暗黒物質の平坦なコア密度プロファイルをもつことになり、これは観測と一致する。 Full Text PDF 目次へ戻る