Article

複製にかかわる六量体ヘリカーゼ内でのDNA移動機構

Nature 442, 7100 doi: 10.1038/nature04943

パピローマウイルスのE1タンパク質はAAA+ファミリーに属する環状六量体ヘリカーゼであるが、ATPサイクルをDNAの移動と共役させる仕組みはわかっていない。今回我々は、六量体中央の穴(チャネル)に一本鎖DNAが結合し、サブユニットの境界にヌクレオチドが結合した状態でのE1六量体の結晶構造について報告する。この構造から、六量体のチャネルにはDNA鎖が1本だけ通っていること、各サブユニットのDNAと結合するヘアピン構造がらせん状に並ぶ「階段」を形成し、これが順にオリゴヌクレオチドの主鎖をたどっていくことがわかった。ATP、ADP、アポ型という順番に生じる一連の立体配置とヘアピンの高さが相関することから、単純明快なDNAの移動機構が考えられる。つまり、各サブユニットは順々にATP、ADP、アポ型の状態をとり、それにつれてDNAと結合したヘアピンが階段室の上から下へと向けて動いていき、一本鎖DNAのヌクレオチド1個がチャネルを通り抜けるように導かれる。サブユニットが次々と入れかわって、ヘリカーゼの環に沿ってこの動きを行っていく。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度