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転写リプレッサーJHDM3AはヒストンH3のトリメチル化リシン9とリシン36を脱メチル化する

Nature 442, 7100 doi: 10.1038/nature04853

クロマチンの翻訳後の修飾は、転写の制御やヘテロクロマチンの構造、X染色体不活性化などの、多くの生物過程に大きな影響をもたらす。最近の研究で、ヒストンの特定のリシン(K)残基のメチル化が、このような過程の多くにかかわっていることが示されている。リシンのメチル化には、リシン側鎖のアミン基に結合しているメチル基が1個(me1)、2個(me2)、3個(me3)という3通りの状態がある。このような修飾状態の差異が、メチル化クロマチンがどのように認識され、解釈されるかに重要な役割を果たしている。最近まで、ヒストンのリシンのメチル化は安定な修飾と考えられていたが、ヒストンデメチラーゼが見つかり、メチル化というエピジェネティックな標識が可逆的であることがはっきりした。しかし、これまでに性質のわかっているヒストンデメチラーゼはすべて、me1、me2状態にあるリシン残基に対して酵素活性を示すものであり、me3が不可逆的な修飾である可能性が残っている。今回我々は、JHDM3A(jumonji C(JmjC)-domain-containing histone demethylase 3A;JMJD2Aともよばれる)が修飾されたH3リシン9(H3K9)とリシン36(H3K36)からme3基を除去できることを実証する。JHDM3Aを過剰に発現させると、HP1(ヘテロクロマチンタンパク質1)がヘテロクロマチンへと集まらなくなることから、JHDM3Aがメチル化されたH3K9を核として起こる現象を打ち消す役割を果たしていることが示唆される。siRNAを用いてJHDM3Aをノックダウンすると、H3K9のメチル化レベルが上がり、JHDM3Aの標的遺伝子であるASCL2が上方制御されるので、JHDM3Aはユークロマチンでは、活性遺伝子の転写に関係するヒストンのメチル化標識を除去する機能を担っている可能性がある。

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