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がん遺伝子と推定されるGASC1は、ヒストンH3のトリメチル化およびジメチル化リシン9を脱メチル化する

Nature 442, 7100 doi: 10.1038/nature04837

ヒストン尾部のリシン残基、アルギニン残基のメチル化は、クロマチンの構造や遺伝子の転写に影響を及ぼす。リシン9のトリメチル化とジメチル化(H3K9me3/me2)は、抑制性タンパク質HP1の結合に必要で、ヘテロクロマチンの形成と転写の抑制に関係することがさまざまな生物種でわかっている。長い間、H3K9me3はエピジェネティックな「永久的」目印と考えられてきた。H3K9me3と相互作用するタンパク質や複合体の探求の過程で、我々はGASC1(gene amplified in squamous cell carcinoma 1)というタンパク質を見つけた。これはjumonjiファミリーのJMJD2(jumonji domain containing 2)サブファミリーに属するタンパク質で、JMJD2Cとしても知られる。本論文では、このサブファミリーに属する3つのタンパク質が、鉄とαケトグルタル酸を補因子とするヒドロキシル化反応によってin vitroでH3K9me3/me2を脱メチル化することを明らかにする。またGASC1やほかのJMJD2タンパク質を異所性発現させると、in vivoでH3K9me3/me2レベルが著しく低下してH3K9me1が増加し、HP1が非局在化してヘテロクロマチンが減少する。これまでに食道扁平上皮がん由来のいくつかの細胞系列でGASC1が増幅していることがわかっており、GASC1の発現を阻害すると細胞増殖が抑えられることは、GASC1が腫瘍の発生にかかわっている事実と符合する。したがって我々は、GASC1がトリメチル化されたヒストンのデメチラーゼ(脱メチル化酵素)であることを明らかにしたうえで、この酵素ががんの発生にかかわる仕組みのモデルを示し、この酵素ががん治療の標的になると提案する。

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