Letter 生殖系列特異的な低分子RNAは哺乳類のPiwiタンパク質に結合する 2006年7月13日 Nature 442, 7099 doi: 10.1038/nature04917 低分子RNAは、Argonauteタンパク質と結合して配列特異的な誘導役として働き、メッセンジャーRNAの安定性、タンパク質合成、クロマチンの構成、ゲノム構造などを調節する。動物ではArgonauteタンパク質は2つのサブファミリーに分けられる。Argonauteサブファミリーは、RNA干渉やマイクロRNAを介した遺伝子調節にかかわる機能をもち、21〜22ヌクレオチドの長さのRNAを誘導役として用いる。Piwiサブファミリーは、生殖系列幹細胞の維持や減数分裂などの生殖系列特異的な現象にかかわっている。しかし、Piwiタンパク質の生化学的機能も、それが誘導役として使う低分子RNAの性質もわかっていない。今回我々は、マウスのPiwiタンパク質であるMIWIが、精巣に非常に大量に存在するがこれまで性質のわかっていなかった約29〜30ヌクレオチド長のRNAに結合することを明らかにする。我々はこのRNAを、piRNA(Piwi-interacting RNA)と名づけた。piRNAはゲノム中で独特な局在パターンを示し、大部分は集まって20〜90キロ塩基のクラスターを形成する。その一方の鎖だけから長く連なった低分子RNAが作られる。同様なpiRNAはヒトやラットでも見つかり、しかも主なクラスターはマウスのクラスターと相同領域にある。piRNAの機能についてはさらに解明が必要だが、生殖系列細胞に大量に存在することや雄のMiwi変異体が不妊であることから、配偶子形成に役割を果たしているものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る