Article レム睡眠を制御すると想定される切り替えスイッチ 2006年6月1日 Nature 441, 7093 doi: 10.1038/nature04767 急速眼球運動(REM;レム)睡眠には夢を見ている状態が含まれ、その状態では皮質・海馬の脳電図(EEG)の活性化と急速な眼球運動および筋の緊張消失が起きている。レム睡眠は50年以上前に発見されたが、レム睡眠とノンレム睡眠の切り替えを行う神経回路については、ほとんどわかっていない。今回我々は、相互に阻害し合うレム・オフ領域とレム・オン領域が中脳橋被蓋部にあり、それらが脳幹切り替えスイッチを成していると提案する。両領域はともにGABA(γ-アミノ酪酸)作動性ニューロンを含み、これらのニューロンはそれぞれ、他方に対して密な神経支配を行っている。レム・オン領域には、2群のグルタミン酸作動性ニューロン集団も含まれている。そのうちの一方は、前脳基底部に軸索投射してレム睡眠のEEG成分を制御しており、もう一方は延髄と脊髄に軸索投射してレム睡眠中の筋弛緩を制御している。レム・オン領域とレム・オフ領域の相互阻害作用は、状態間の移行を急激なものにする一方で、例えばナルコレプシーでみられるような唐突で不都合な状態移行も起こしやすくする切り替えスイッチを作っているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る