Letter 内核膜タンパク質エメリンはHIV-1の感染性を調節する 2006年6月1日 Nature 441, 7093 doi: 10.1038/nature04682 ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)などの霊長類レンチウイルスは、組織マクロファージのような非分裂細胞への感染能を示す。感染の過程で、ウイルスの相補的DNAは核膜を通過してクロマチン内に組み込まれる。クロマチンと核膜の間には密接な関係があると考えられていることから、我々は、HIV-1が感染に際して核膜の構成成分を利用するかどうか検討した。本論文では、内核膜の内在性タンパク質であるエメリンが、HIV-1感染に必要であることを明らかにする。エメリンを欠失した初代培養マクロファージへの感染は成立しなかったが、それはウイルスの相補的DNAが核へは局在化するものの、クロマチンへの組み込みが起こらず、ウイルスの相補的DNAから機能をもたないエピソーム相補的DNAへの転換が増大したためである。in vivoでは、HIV-1の相補的DNAはエメリンと結合し、ウイルスの相補的DNAとクロマチンとの相互作用はエメリンに依存的であった。エメリンのLEM(LAP、emerin、MAN)ドメインとの結合相手であるBAF(Barrier-to-autointegration factor)は、ウイルスの相補的DNAとエメリンとの結合、およびエメリンがウイルス感染を助けるために必要であった。したがって、内核膜とクロマチン間の界面をつなぐエメリンは、組み込みに先立ってウイルスの相補的DNAとクロマチンが結合するために必要であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る