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核内Aktの機能に拮抗する腫瘍抑制因子ネットワークの同定

Nature 441, 7092 doi: 10.1038/nature04809

がん原遺伝子 AKT(別名PKB)は、主にPTEN腫瘍抑制遺伝子の欠失により、多くのヒトのがんで活性化されている。そのような腫瘍では、AKTは細胞膜に多く存在するようになり、細胞膜でのリン酸化によって活性化される。しかし、リン酸化されたAKTによって阻害される多くの標的因子(例えば、FOXO転写因子群)は核に存在しているが、核に存在するリン酸化されたAKT(pAKT)の機能が腫瘍発生とどのように関係するかは明らかにされていなかった。本論文で我々は、PML腫瘍抑制因子が核内でpAKTを不活化することにより、がんを予防することを示す。マウスモデルでは、Pmlの欠失がPtenヘテロ変異体において腫瘍の出現や発生率、進行を著しく促進し、また、Foxo3aノックアウトマウスの表現型を再現するような特徴をもつ雌の不妊症を引き起こすことがわかった。Pml欠失は単独で、pAktのレベルに非常に影響されやすい組織である前立腺における腫瘍発生につながることを示し、PmlがAktのホスファターゼであるPP2aやpAktを、Pmlの局在する核内の点状構造(nuclear body)に特異的に動員することを明らかにする。特に、Pmlヌル細胞ではAktに対するPP2aのホスファターゼ活性が損なわれており、そのため核にpAktが蓄積することがわかったことは重要である。その結果、Pml遺伝子の量が徐々に減少することにより、アポトーシス誘導性のBimや細胞周期阻害因子であるp27kip1の、Foxo3aを介した転写が不活化される。今回の結果は、Pmlが核に存在するpAktの不活化に必要な腫瘍抑制因子ネットワークを統合していることを示しており、ヒトがんの病因や治療においてAKTの細胞内区画化が重要であることを明らかにしている。

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