Letter Ge/Siナノワイヤーヘテロ構造による高性能電界効果トランジスター 2006年5月25日 Nature 441, 7092 doi: 10.1038/nature04796 半導性のカーボンナノチューブおよびナノワイヤーは、プレーナ金属‐酸化物‐半導体電界トランジスター(MOSFET)に代わる可能性をもつ材料である。その理由は、例えば、1次元量子閉じ込め効果によって生じる特異な電子構造やキャリア散乱の低下にある。これまでの研究によって、カーボンナノチューブとGe/Siコア/シェルのナノワイヤーのいずれもが室温で長い平均自由行程をもつことが実証されている。カーボンナノチューブFETでは、バリスティック極限付近で動作するものが作製されている。しかし、高性能カーボンナノチューブFETの応用は、一様な半導性ナノチューブ作製のむずかしさが障害となっていた。だが、これはナノワイヤーを制限する要因にはならない。大規模集積システムに必要な再現性のよい電子特性をもつナノワイヤーは高い歩留まりで得られている。それでも、ナノワイヤー電界効果トランジスター(NWFET)が実際にプレーナ型FETよりも性能が高くなるかどうかはまだ明らかになっていない。本論文では、トップゲート構造に高誘電率の誘電体を使い、FET配置としたGe/Siコア/シェルナノワイヤーヘテロ構造の研究を報告する。このGe/Siナノワイヤーヘテロ構造中の清浄な1次元正孔ガスと高誘電率誘電体によるゲート結合の強化によって、正規化した相互コンダクタンスが3.3 mSμm-1かつオン電流が2.1 mAμm-1という高性能FET値が得られた。これらの値は最新のMOSFETより3倍から4倍大きく、また、NWFETで得られた最高値である。さらに、デバイスへ応用するときの重要な基準となる固有スイッチング遅延τ=CV/Iの比較から、Ge/Si NWFETの性能は同程度の長さのカーボンナノチューブFETに匹敵し、またプレーナ型シリコンMOSFETのチャネル長スケーリング則よりかなり優れていることが示される。 Full Text PDF 目次へ戻る