Letter 酵母の実験個体群でみられる資源競争と社会的対立 2006年5月25日 Nature 441, 7092 doi: 10.1038/nature04624 協力の維持を促進する条件の解明は、進化生物学における極めて重要な問題である。このジレンマの本質は「共有地の悲劇」にみることができる。つまり、協力的方法で資源を利用する個体からなる集団はどのようにすれば、自身の繁殖成功を最大化するために集団を犠牲にして共有資源を利己的に使用する、「裏切り者」による侵害を阻止できるのだろうか。今回我々はこの対立を調べるため、酵母の同質遺伝子系統であるがグルコース代謝経路の異なる、「裏切り型」系統と「協力型」系統との実験的競争、および微生物の生化学性質に関する数理モデルを用いた。そして、この対立の結果は、環境の時空間構造に依存して共存と競争排除のいずれにもなりうることを示す。共存になるか競争排除になるかは、代謝中間生成物を介して資源を子孫へと変換する速度と効率のトレードオフ関係によって決まる。 Full Text PDF 目次へ戻る