Article 海水の沈み込みはマントルの重い希ガス組成を支配している 2006年5月11日 Nature 441, 7090 doi: 10.1038/nature04761 太陽の揮発性物質と、地球大気およびマントル貯蔵庫に現存する揮発性物質との関係は、惑星降着時の揮発性物質の取り込みとその後の揮発性物質の進化を支配した過程に関する手がかりとなる。地球マントル中の軽い希ガス(ヘリウムとネオン)が太陽に似た同位体組成を保持しているのに対して、重い希ガス(アルゴン、クリプトン、キセノン)は現在の大気によく似た同位体組成をもっており、さらに放射壊変および(キセノンの場合)太陽の影響が加わっている。マグマ性の天然CO2ガス田におけるマントル起源の希ガスでは、これまで浅部での大気/地下水および地殻からの付加分の補正が行われてきた。本論文では、このガス田で得られた新しいデータを分析し、マントル中の非放射性重希ガスの元素組成は、海水のものと極めてよく似ていることを示す。このことから、我々は希ガスの「沈み込み障壁」というよく知られた考えに疑問を投じ、対流するマントルの希ガスの同位体組成と元素組成は、堆積物と海水が支配的な空隙水の沈み込みにより説明できると考える。こう考えることで、非放射性起源のアルゴンとクリプトンの約100%、キセノンの80%を説明できる。また、対流するマントルの水の濃度の約50%はこの機構で説明できる。さらに、沈み込んだ物質がマントルプリューム生成源に戻る量が多くなることで、重希ガスの放射性同位体と非放射性同位体の比が低いことや、プリューム起源玄武岩の水含有量が高いことも説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る