Letter 病原性エフェクターTH17と調節性T細胞産生のための相反的分化経路 2006年5月11日 Nature 441, 7090 doi: 10.1038/nature04753 T細胞は活性化の際に、異なる分化経路をとって特殊な性質およびエフェクター機能を獲得する。ヘルパーT(TH)細胞は従来、TH1細胞とTH2細胞というサブセットに分化すると考えられてきた。TH1細胞は細胞内の病原体の排除に必要であり、TH2細胞は細胞外生物の排除に重要である。最近、TH1細胞ともTH2細胞とも異なるインターロイキン(IL)17産生T(TH17)細胞というサブセットがあることがわかり、自己免疫による組織傷害の誘導で重大な役割を果たすことが示された。これとは逆に、CD4+CD25+Foxp3+調節性T(Treg)細胞は自己免疫を抑制し、組織傷害を防ぐ。トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)は、Treg細胞の産生において重要な分化因子である。本論文では、内在するFoxp3遺伝子座にレポーターを導入したマウスを用い、炎症時に誘発される急性期タンパク質IL-6が、TGF-βが誘発するFoxp3+ Treg細胞の産生を完全に阻害することを示す。さらに、IL-23はTH17細胞産生のための分化因子ではないことを明らかにする。IL-6とTGF-βが協働して、ナイーブT細胞からの病原性TH17細胞の分化を誘発する。今回の結果は、自己免疫を誘発する病原性(TH17)T細胞と自己免疫による組織傷害を妨げる調節性(Foxp3+)T細胞の産生は2つの経路に分かれて起こることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る