Letter 南アフリカの巨大なモロクェン衝突クレーター中での25 cm の微惑星砕屑片の発見 2006年5月11日 Nature 441, 7090 doi: 10.1038/nature04751 隕石は太陽系天体の試料となり、そのため長い年月にわたって地球に衝突した天体の種類をしぼり込むことができる。しかし、現在までに解析が行われた隕石が、衝突した天体の全種類に相当しているとは考えにくく、隕石の性質が時間とともに変化している可能性もある。大きな天体は、大角度で地球と衝突した際に完全に融解したか、蒸発したと考えるのが一般的である。したがって、大きな衝突天体の同定は、間接的な化学的トレーサー、特に白金族元素に依存する。本論文では、南アフリカにある145 Myr前の巨大な(直径>70 km)モロクェンクレーターの衝突溶融岩片内部での、大きな(25 cm)変質していない化石隕石と、いくつかの小さな断片の発見について報告する。大きな断片(砕屑片)は、LL6型コンドライト角礫岩に似ているが、鉄含量が異常に高いケイ酸塩とFe-Ni硫化物を含み、トロイライトや金属は含まない。この断片はコンドライトのクロム同位体比を示し、白金族元素比率はバルクの衝突溶融岩片と一致する。これらの性質から、大きなクレーターにおける衝突天体の特性をはっきりと示すことができる。さらに隕石の異例な組成から、モロクェンに衝突した小惑星は、現在までに地球に到達した天体ではみられていない特徴をもつLL型コンドライト母天体の一部を含んでいたと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る