Letter

社会的待ち行列における将来の適応度とヘルパー行動の関係

Nature 441, 7090 doi: 10.1038/nature04560

原始的真社会性や共同繁殖性の動物社会におけるヘルパー個体は、女王もしくは繁殖つがいの子を養育するために自身の繁殖を放棄しているが、自身が繁殖地位を獲得することもありうる。血縁選択はこれらの社会を理解するために広く受け入れられてきた理論的枠組みであるが、遺伝的近縁度の差異だけでは、ヘルパー行動の労働量に極めて大きな個体差があるという、広くみられる社会的特徴を説明できない。このばらつきに対するまた別の説明は、ヘルパーが直面している基本的なトレードオフ問題にある。つまり、彼らは頑張って働くほど適応度の間接成分を増加させることができるが、同時に自身の将来の生存可能性と産子力を減らすことになる。本論文では、労働することで将来の適応度がむしろ低下しそうな場合には、ヘルパーはあまり働かないことを示す。我々は、ハラボソバチ亜科のハチの社会的待ち行列(social queue)において将来の適応度の2つの成分である、産卵地位を受け継ぐチャンスと、それとともに受け継ぐことになる自身の子を養育してくれるワーカーの数を実験的に操作した。それぞれの操作の後、ヘルパーは、操作により変化する自身の将来の予想適応度に応じて、適切に労働量を増減させた。ハラボソバチではヘルパー行動は間接的適応度を有意に向上させるが、我々の研究は、ヘルパー行動に伴うコストの変動がヘルパー行動の労働量の主要な決定要因であることを示す。

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