Letter 長距離渡りを行う鳥類でみられる個体群減少と気候変動 2006年5月4日 Nature 441, 7089 doi: 10.1038/nature04539 気候変動に対する生物の季節的動態の応答は、栄養段階レベルごとに異なっており、こうした応答が原因で、餌量が最も多い時期に鳥類が繁殖できなくなる可能性がある。今回我々は、渡り鳥であるマダラヒタキ(Ficedula hypoleuca)で、このようなタイミングのずれが個体数に与える影響を調査した。オランダの9個体群を比較したところ、ヒナに与える餌の量が繁殖期初期にピークを迎え、現状ではマダラヒタキが繁殖の時期を合わせられていない地区では、過去20年間で個体数が90%減少したことが明らかになった。餌量のピークが遅く現れる地区では、繁殖に早くとりかかった個体が餌量ピークになんとか間に合うように繁殖し、個体数はやや減少するに留まった。もし餌の季節的動態変化がさらに前倒しになるなら、今は餌量のピークが遅く現れる地区でも個体数が減少すると予測されるが、これはこうした地区でも早まることになる餌量ピークに対する繁殖時期の適応調節が十分でないからである。気候変動の結果として生じるこの種のタイミングのずれはおそらく広範囲にわたる現象であり、本研究は気候変動が個体数減少を引き起こしうることを示す証拠である。 Full Text PDF 目次へ戻る