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生化学:NMRによるタンパク質構造決定へ向けた同位体標識法の最適化

Nature 440, 7080 doi: 10.1038/nature04525

核磁気共鳴(NMR)分光法では、溶液中におけるタンパク質の三次元構造が決定できる。しかし、NMRスペクトルの解析は共鳴線の線幅の拡がりや重なり、また低いS/N比のために困難であり、その有用性は制限されてきた。今回我々は、立体整列同位体標識(stereo-array isotope labelling,SAIL)法について報告する。SAIL法は、新たに設計した位置、および立体特異的安定同位体標識パターンをすべてのアミノ酸残基に適用することによって、NMRスペクトルから得られる情報の質と量を最適化し、上記の問題の多くを解決する技術である。SAIL法では、化学的に、あるいは酵素法によって合成した同位体標識アミノ酸のみを用いて無細胞タンパク質合成系により標的タンパク質を調製する。我々は分子量17 kDaのカルモジュリンおよび41 kDaのマルトデキストリン結合タンパク質についてSAIL法を適用し、この手法によって、より鋭い共鳴線が得られること、構造情報を失わずにスペクトルを単純化できることを明らかにし、その結果これまで一般にNMR法によって構造解析がされてきたタンパク質の2倍の分子量をもつタンパク質の溶液構造を高精度で決定できることを証明した。したがって、SAIL法によって、さまざまな高分子量タンパク質についてこれまで不可能であった精密な溶液構造の決定が新たに可能となる。

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