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生理:赤血球での鉄同化にはマイトフェリンが不可欠である

Nature 440, 7080 doi: 10.1038/nature04512

鉄は、電子伝達やデオキシリボヌクレオチド合成、酸素輸送、ヘムタンパク質とFe-Sクラスタータンパク質がかかわる数多くの重要な酸化還元反応など、代謝のさまざまな過程で非常に重要な役割を果たしている。鉄ホメオスタシスの異常は、鉄欠乏あるいは鉄過剰につながる。赤血球の形成過程でのヘム生合成、ヘモグロビン生産とFe-Sクラスタータンパク質の構築には、ミトコンドリアの鉄輸送が厳密に制御されなくてはならない。本論文では、ゼブラフィッシュの変異体で、ミトコンドリアの鉄取り込みに欠陥があるために重度の低色素性貧血と赤血球の成熟停止がみられるfrascati(frs)について報告する。ポジショナルクローニングによって、frs変異体で変異している遺伝子は、脊椎動物のミトコンドリアSLC(solute carrier)タンパク質ファミリー(SLC25)の1つであることがわかり、マイトフェリン(mfrn)と名づけた。mfrnは、ゼブラフィッシュとマウスの胎児および成体の造血組織で高度に発現されている。Mfrn(Slc25a37ともよばれる)をもたないマウス胚性幹細胞から作った赤芽球は、55Feのヘムへの取り込みが著しく阻害され、成熟が停止する。酵母のmfrnオーソログであるMRS3とMRS4を破壊すると、鉄代謝とミトコンドリアのFe-Sクラスターの生合成に異常が生じる。frsゼブラフィッシュにみられる異常はマウスのMfrnによって救済され、またゼブラフィッシュのmfrnが酵母変異体の異常を補完することから、この遺伝子の機能が高度に保存されていることが示唆される。今回のデータから、mfrnは脊椎動物の赤芽球におけるヘム生合成に不可欠な、ミトコンドリアへの主要な鉄取り込みタンパク質として機能することが示された。

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