冥王星で最初に知られることになった衛星カロンは、1978年に発見された。カロンは冥王星のおよそ半分の直径(約1,200 km)で、主星に対する相対的な大きさでは太陽系中の衛星の中でいちばんである。冥王星を回る他の衛星の探査はこれまで成功していなかった。しかし、以前の探査は直径150 km以下の天体に対する感度が低く、冥王星に他の惑星はないはずだという重要な根拠は存在しない。本論文では、冥王星の周りにさらに2つの衛星を発見し、暫定的にS/2005 P 1(以下、P1)とS/2005 P 2(P2)と名づけたことを報告する。冥王星はこれにより、複数の衛星をもつ最初のカイパーベルト天体ということになる。これら新発見の衛星はカロンよりずっと小さく、表面の反射率によって変わるがP1の直径は60〜165 kmの範囲にあり、P2はP1よりおよそ20%小さいと推測される。軌道は確定できないものの、この2つの衛星はカロンと同じ軌道平面で円軌道を描いて動いており、約38日(P1)と約25日(P2)の軌道周期をもっているようである。