Letter 医学:FRG1を過剰発現するマウスの顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー 2006年2月23日 Nature 439, 7079 doi: 10.1038/nature04422 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は、常染色体優性遺伝性の神経筋疾患であり、タンパク質をコードする遺伝子での古典的突然変異が原因ではない。ほとんどすべてのFSHD患者では、染色体4q35上に存在するD4Z4とよばれる3.3kbの縦列反復配列が整数回分欠失している。D4Z4には転写サイレンサーが含まれることから、D4Z4の欠失は、その上流に位置する4q35遺伝子のFSHD骨格筋における不適切な過剰発現を引き起こす。FSHDの発症原因となる遺伝子を明らかにするために、我々は骨格筋内に4q35上の遺伝子FRG1、FRG2またはANT1を選択的に過剰発現するトランスジェニックマウスを作出した。FRG1トランスジェニックマウスは、ヒトの当該疾患の特徴を有する筋ジストロフィーを発症するが、これとは対照的に、FRG2とANT1のトランスジェニックマウスは正常と思われることがわかった。FRG1は核タンパク質であり、いくつかの証拠から、このタンパク質がメッセンジャーRNA前駆体のスプライシングに関与すると考えられている。我々は、FRG1トランスジェニックマウスおよびFSHD患者の筋肉内では、特定のmRNA前駆体が異常な代替スプライシングを起こすことを明らかにする。今回の結果を総合すると、FSHDは骨格筋におけるFRG1の不適当な過剰発現を原因として発症し、それにより特定のmRNA前駆体が異常な代替スプライシングを起こすことが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る