Letter

材料:原子スケールで観察された初期腐食

Nature 439, 7077 doi: 10.1038/nature04465

世界のGDPの3パーセント以上が、腐食によって失われている。最近は、金属合金の電気化学的分解を生産に活用することが多くなり、多様な技術的可能性を持つ多孔質材料が生み出されている。電気化学的腐食(電食)の際の構造形成を高分解能で詳細に観察することは、そのような電気化学的表面処理を原子レベルで解明し制御する上で欠くことができない。今回我々は、硫酸溶液中のCu3Au(111)単結晶合金の腐食の初期段階を原子スケールで観察したので報告する。ピコメートルスケールの分解能を持つin situ X線回折によって、材料分解中の電解質/合金界面の構造と化学組成をモニタリングしたところ、これまでに起源が明らかにされていない一般的な不動態化現象に伴う微視的な構造変化が明らかになった。金を多く含む単結晶層の形成が観察されたが、この単結晶層は厚さが2〜3原子層ほどであり、予想外の積層順序の逆転(CBA-)が見られた。より高電位では、この保護的な不動態のディウェッティングが起こり純粋な金のアイランドが形成され、そのような構造がナノ多孔質材料を成長させるテンプレートとなることが見いだされた。我々の実験はモデル単結晶系上で行われた。しかし、得られた知見は、CuZnやCuAlなどの船舶への使用にあてられる合金あるいはステンレスなどの各成分の標準電位が大きく異なる合金から作製された関連多結晶電極の結晶粒内にも同様に当てはまるだろう。

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