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発生:局在化した母系orthodenticleが長胚型寄生バチNasoniaの前後パターンを形成する

Nature 439, 7077 doi: 10.1038/nature04445

ショウジョウバエ(Drosophila)のBicoid(Bcd)勾配は長い間、胚の極性を確立するモルフォゲン作用モデルとされてきた。しかし現在では、bcdは高等な双翅目に特有であることが明らかになっている。甲虫のコクヌストモドキ(Tribolium)では、進化的に祖先型の遺伝子orthodenticleotd)がbcdに類似した役割を持つ。Bcdの勾配は前方に局在したメッセンジャーRNAからのタンパク質の拡散によって生じるのに対し、コクヌストモドキでのOtd勾配はotd mRNAの翻訳抑制因子が後方に局在していることによって形成される。勾配形成におけるこれらの差異は、胚のパターン形成の様式と関連している。ショウジョウバエでは、前後軸の全体から胚が形成され、すべての体節が原腸胚形成前の胞胚期に形成されるという長胚型の胚発生が行われる。 一方、コクヌストモドキは短胚型の胚発生を行う。短胚型では、胚は卵の後部の細胞から生じ、胞胚期には前方の体節のみがパターン化され、残りの体節は原腸胚形成以降に増殖領域から形成される。本研究では、長胚型寄生バチであるキョウソヤドリコバチ(Nasonia vitripennis)におけるotdの役割を報告する。Nasoniaotd母系mRNAは胚の両極に局在し、これによって両極のタンパク質勾配が形成されていた。したがって、Nasoniaでのotdの局在は、長胚型発生を行う上で2つの大きな役割を持つ。すなわち、卵の前方ではBcd勾配に似た仕組みで前方の標的を活性化し、原腸胚形成前における後方ギャップ遺伝子の発現に必要とされるのである。

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