Letter 進化:ニカラグアの火口湖にすむシクリッド科魚類の同所的種分化 2006年2月9日 Nature 439, 7077 doi: 10.1038/nature04325 地理的障壁のない状態で種が形成される同所的種分化は、依然として進化生物学における最も異論の多い概念の1つである。同所的条件下での種分化は理論的には可能に思えるが、実証的研究は乏しく、信憑性のある同所的種分化の例は非常に少ない。本論文では、ニカラグアにある年代的に新しい小型の火口湖において、フラミンゴシクリッド複合種(Amphilophus属種)の同所的種分化の説得力ある一例を報告する。我々の研究には、系統地理学や集団遺伝学(ミトコンドリアDNAやマイクロサテライト、AFLP(amplified fragment length polymorphism)法に基づく)、形態計測学、生態学などによる諸解析が含まれる。我々が見いだしたのは以下の4点である。第1に、火口湖であるアポヨ湖には、この地域で最も一般的なシクリッド種であって祖先にあたる、体高の大きい底生種フラミンゴシクリッド(Amphilophus citrinellus)が一度だけ播種された。第2に、細身で沖帯に棲む新しい種(Amphilophus zaliosus)はアポヨ湖で祖先種(A. citrinellus)から1万年足らずの間に進化した。第3に、アポヨ湖にいるこれら2種は生殖的に隔離しており、第4に、この2種は生態形態学的にはっきり区別できる。 Full Text PDF 目次へ戻る