Letter 視覚:視覚皮質におけるガンマ帯域の同調度から変化検出の速さを予測する 2006年2月9日 Nature 439, 7077 doi: 10.1038/nature04258 入ってくる複数の刺激を処理して行動的に応答するヒトの能力は非常に限られている。この限られた能力を最大に利用するために、注意の機構は、気を散らすような意味のない刺激を捨てて意味のある刺激に優先順位を与えている。視覚系では、注意の向けられた刺激は強い反応を引き起こし、ガンマ振動数帯域(40〜70ヘルツ)の周期的なニューロン活動の同調度が高まる。おそらくこの2つの効果によって、特定の脳領域内および複数の領域間で、注意刺激に対するニューロンの信号化が改善されるのであろう。また、注意によって行動成績が向上し、反応時間も短縮する。しかし、反応時間がどのように視覚関連領域における反応の強さ、もしくはガンマ帯域の同調と関連しているのかは明らかでない。本論文では、刺激の変化に対する行動上の反応時間が、行動的に意味のある刺激によって活性化するサル四次視覚野ニューロン間のガンマ帯域の同調度から特異的に予測可能であることを示す。サルに2つの視覚刺激を与え、うち一方を無視して他方の刺激に含まれる変化を検出する課題を与えると、意味のある刺激が刺激の変化前後で強いガンマ帯域同調を引き起こすときに、ニューロン反応が最も速くなる。このガンマ帯域同調度の増大はまた、速い試行に際してのニューロン反応の潜時の短縮を伴う。逆に、意味のない、気をそらす選択肢に対してガンマ帯域同調が強いときには、サルの反応は最も遅い。したがって、注意を向けた刺激に対するニューロンのガンマ帯域同調度の増大とニューロン反応潜時の短縮とは、視覚が引き金となって起こる行動に直接の影響を持つように思われる。これは効率的な視覚-運動間統合の初期の神経的相関関係を反映していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る