Letter 気候:北極域における気候学的に重要なエアロゾルの長波間接効果 2006年1月26日 Nature 439, 7075 doi: 10.1038/nature04449 ここ数十年にわたって観測されてきた北極域の気候の温暖化と海氷の厚みと面積の縮小は、温室効果ガスの直接的な強制力の増大、大気力学過程の人為起源の変化、氷とアルべド間および雲と放射間のフィードバックを含む、著しい正の強化に起因すると考えられている。雲と放射の相互作用の重要性については、1997年以来、北極域に設置されている高度な計測器類を用いて研究が続けられている。これらの研究により、夏季の短い期間を除けば、1年の大半を通じて、雲は卓越した長波放射の効果によって北極域の気候システムを正味で暖めていることが立証された。北極域にはさらに、人為起源の相当量のエアロゾルが周期的に流入している。このエアロゾルの流入は低緯度の工業地域に由来する。本論文では、多重センサーから得られた放射データを用いて、エアロゾルの濃度の増大は、「一次間接効果」として知られる過程によって北極域の雲のミクロ物理学的性質を変化させることを示す。頻繁に生起する種類の雲の下では、この効果によって地球表面の長波フラックスが、平均して1平方メートルあたり3.4ワット増加することが見いだされた。この増加量は、既に立証された温室効果ガスによる温暖化の効果に匹敵し、観測されるような長波の強まりが気候学的に重要であることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る