Article

細胞:後成的なサイレンサーとNotchは協同して働きRbのサイレンシングにより悪性腫瘍を促進する

Nature 439, 7075 doi: 10.1038/nature04376

癌は遺伝病であるとともに、後成的な病気でもある。ヒトの癌では、後成的な変化、特にヒストンの修飾やDNAメチル化の結果として癌抑制遺伝子が不活性化されている例が多く見られる。したがって、このような有害な変化が起こる仕組みの解明は重要である。今回我々はショウジョウバエの目での癌発生の研究により、Polycomb群に属し、この過程にかかわる2個の後成的サイレンサーPipsqueakとLolaを同定した。PipsqueakとLolaの発現の脱制御がDeltaの過剰発現と同時に起こると、転移性の腫瘍が形成される。このような表現型には、クロモドメインタンパク質であるPolycombだけでなく、いずれもヒストン修飾酵素であるRpd3(ヒストンデアセチラーゼ)、Su(var)3-9およびE(z)が必要である。これらの腫瘍では、Retinoblastoma-family proteinRbf )遺伝子の発現が低下しており、実際にこの低下にはDNAの過剰なメチル化が関係している。これらの結果を総合すると、腫瘍形成の過程でNotch-Delta経路と後成的なサイレンシング経路と細胞周期の制御を結びつける仕組みがはっきりする。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度