Letter 物理:ナノスケール強磁性島構造の幾何学的にフラストレートした格子における人工「スピンアイス」 2006年1月19日 Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04447 フラストレーションは、すべてが満たされることはない相互作用間の競合として定義され、神経ネットワークから構造ガラスに至るさまざまな系で重要である。最近、大きな関心を呼んでいる話題は、無秩序ではなくむしろ秩序性の高い構造のトポロジーから生じる幾何学的フラストレーションである。特に、磁性材料におけるスピン間の幾何学的フラストレーションでは、「スピンアイス」などエキゾチックな低温状態が生じる。スピンアイスでは、局在モーメントが凍った水における水素イオン位置のフラストレーションと似た状態をとる。本論文では、リソグラフィーによって作製した単一磁区の強磁性島構造の配列で起こる人工の幾何学的にフラストレートした磁石について報告する。この島構造は、その双極子相互作用から2次元版スピンアイス構造が生じるよう配列させている。この相関系における各素子の磁気モーメント像から、どのようにフラストレーションが局所的に解消されるかを研究することができる。氷状の短距離相関は観察されたが、長距離相関は見られなかった。これはスピンアイスの低温状態と非常によく似たふるまいである。以上の結果から、人工的にフラストレートした磁石によって、フラストレーションの物理的性質を直接視覚化できる未踏分野がもたらされることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る