Letter 細胞:ホルモン刺激を受けてインスリン分泌を行うβ細胞で見られるサイクリックAMPの振動 2006年1月19日 Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04410 サイクリックAMPは広く存在する第二メッセンジャーで、細胞表面にあるさまざまな受容体からのシグナルを伝達して、分泌、代謝や遺伝子転写などの多様な細胞機能を調節している。膵β細胞では、cAMPはCa2+-依存性のエキソサイトーシスを増強し、ホルモンであるグルカゴンやグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)によるインスリン分泌の刺激を仲介する。Ca2+シグナルについては徹底的に調べられ、インスリン分泌の時間的調節に重要な振動が起こることが明らかになっているが、受容体に起因するcAMPシグナルの動態の方はわかっていない。今回、新しい蛍光比率測定型のエバネセント波顕微鏡を使って細胞膜直下のcAMP濃度を測定し、インスリン分泌を行うβ細胞のグルカゴンやGLP-1への応答が、著明なcAMP振動を伴っていることを示す。cAMP濃度と細胞内Ca2+濃度を同時に測定することにより、これら2つのメッセンジャーは連結して働き、互いに強化し合うとわかった。また、cAMP振動はCa2+応答の迅速なオン-オフ反応を誘導できるが、cAMP依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニットの核内移行誘導は、cAMP濃度が持続的に上昇しているときに限って起こる。今回の結果は、cAMPの新たなシグナル伝達形態を確証するもので、cAMPシグナルの時間的符号化が下流にある細胞標的を差別的に制御する際の基盤である可能性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る