Letter 遺伝:主動遺伝子性のバルデー・ビードル症候群のエピスタシス解析 2006年1月19日 Nature 439, 7074 doi: 10.1038/nature04370 エピスタシス相互作用は表現型の多様性に重要な役割をもつが、この現象の詳しい遺伝的解析は困難である。今回我々は、多面発現性の主動遺伝子性疾患バルデー・ビードル症候群(BBS)のエピスタシス対立遺伝子に寄与する、新たな遺伝子座MGC1203を同定した。MGC1203は中心粒外周タンパク質でBBSタンパク質と相互作用および共局在する。互いに無関係な2つのBBSコホートでの塩基配列決定によって、患者ではヘテロ接合のC430T変異が有意に多いことが判明し、また伝達不平衡テスト(TDT)からは、この変異形の強い過剰伝達が見られることも明らかになった。さらに解析を進めたところ、この430T対立遺伝子によって隠れたスプライシング受容部位の利用が促され、中途終止コドン(PTC)が生じて安定状態のMGC1203メッセンジャーRNA量が減少することがわかった。また、このヒト遺伝子型をゼブラフィッシュで再現する実験で、mgc1203の中程度の抑制が、モルフォリノアンチセンスオリゴ処理BBS(BBS morphant)の発生表現型にエピスタシス効果を示すことが明らかになった。これらのデータが示すように、生化学的手法、遺伝学的手法、in vivo解析手段を組み合わせれば、エピスタシス現象の詳細な解析が容易になり、表現型変動の遺伝的基盤についての理解が深まるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る