Letter 環境:陸上植物による好気条件下でのメタン放出 2006年1月12日 Nature 439, 7073 doi: 10.1038/nature04420 メタンは主要な温室効果ガスの1つであり、産業革命以前と比較して大気中濃度がほぼ3倍に上昇している。このガスは大気の酸化的化学反応で中心的な役割を果たし、成層圏のオゾン量および水蒸気量に影響を及ぼしている。天然の供給源に由来する地球大気中のメタンは、大部分が無酸素的環境における生物学的過程から生ずると考えられている。本研究では、炭素の安定同位体を用い、これまで知られていなかった過程によって有酸素条件下の陸上植物でメタンがin situで容易に生成されることを示す。損なわれていない植物および切り離した葉がともに相当量のメタンを放出することが、実験室および屋外でのインキュベーション実験で認められた。今回の測定値が寿命の短いバイオマスに対する一般的な数値であるとして、これを地球全体に換算すると、生きている植物は62〜236 Tg yr-1、落葉落枝などは1〜7 Tg yr-1もの規模のメタン源になるものと推定される(1 Tg=1012g)。今回見いだされたメタン供給源は地球のメタン収支に重要な意味を持ち、過去の気候変化に天然のメタン供給源が果たしてきた役割の再検討が必要となると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る