Letter 細胞:マウス単一割球に由来する胚性および非胚性幹細胞株 2006年1月12日 Nature 439, 7073 doi: 10.1038/nature04277 ヒトの胚幹(ES)細胞研究に対する最も本質的な反対論は、ES細胞の誘導により胚が完全なヒトに発生する可能性が奪われるという事実に基づいている。従来の方法では、ES細胞株は胚盤胞の内細胞塊から単離されるが、卵割期胚から単離された例もいくつかある。これまでのところ、胚を破壊しない方法で幹細胞株を作製したという報告はない。本論文では、ES細胞株樹立のための新たな方法を報告する。この方法では、 遺伝的異常を調べる着床前診断に使われる手法に類似した、単細胞胚生検の手法を用いるため、胚の発生能は妨げられない。1つの割球からES細胞と思われる5つの細胞株および7つの栄養芽幹(TS)細胞株が得られ、これらは50継代を超えて正常な核型および多能性またはTS細胞のマーカーを維持した。このES細胞は、in vitroでも奇形腫でも3つの胚葉すべての誘導体に分化し、生殖細胞系列への移行を示した。1つの割球を生検で除去された胚は発生能力の低下なく発育し、出産に至った。ex utero胚を破壊せずにヒトのES細胞を作出できれば、多くの倫理的問題が軽減または解消されると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る