Letter 進化:胎生の雌の異父同腹仔において異系交配の胚は同系交配の異父きょうだいを救済する 2006年1月12日 Nature 439, 7073 doi: 10.1038/nature04260 雌は2個体以上の雄と交配するのが普通であり、一妻多夫制は多くの種で繁殖成功度を高めることが明らかになっている。複数の雄による受精は、自然選択の場を体外環境から雌性生殖輸管内へと移行させ、そこでは精子競争あるいは雌による精子選別が起こって、遺伝的に劣ったり不適合だったりする雄の精子を除外するようなバイアスがかかっている可能性がある。一妻多夫制が不適合性回避の戦略となりうることを示す証拠は、一部の卵生動物種において、血縁関係のない雄由来の精子による受精が有利に運ぶような交接後機構によって、同系交配のコストが削減されることを示す研究から得られている。胎生動物種では、同系交配は子の遺伝的な質を低下させるだけでなく、正常な胚発生に必須の胎児−母体間相互作用も破壊してしまいかねない。今回我々は、胎生のカニムシ類において一妻多夫制が同系交配コストを削減するのは、父親にバイアスをかける機構が異系交配でできた子に有利に働くためではなく、異系交配で生じた胚が同系交配で生じた同腹の異父きょうだいに救済作用を及ぼすためであることを示す。したがって、一妻多夫制のもたらす利得は卵生の雌よりも胎生の雌のほうが複雑である可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る