Letter

進化:母性的繁殖形質から派生した複雑な社会性行動

Nature 439, 7072 doi: 10.1038/nature04340

社会生物学の大きな目標の1つは、特に社会生活を営む典型例である社会性昆虫において、複雑な社会性行動がどのように進化したのかを説明づけることである。まだ多くの議論が交わされている問題ではあるが、最近の理論的説明の焦点は、ワーカーの行動(巣内に残って母親の繁殖活動の手助けをする娘たちからの支援)の進化上の起源を、弟妹に対する母性的養育行動の発現から解明することに当てられている。この進化モデルが提起する重要な予測の1つは、母方遺伝子の時間進行の異なる発現により母性的養育に関与する形質が選び出されて、弟妹の養育という昆虫に見られる高度に進化した社会生活の代表的特徴に至ったというものである。母性行動と生殖状態との連動は単独性昆虫で進化し、ワーカーを含む社会が進化するための下地となった。今回我々は、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)のワーカー(働きバチ)の間に見られる採餌労働の分業が、条件的不妊の雌の生殖状態と連動することを示す。そしてこれにより、広く発現している社会性昆虫の諸行動がどこから進化したかを明らかにし、母性的繁殖形質に見られる多型がいかにして生殖能力のないヘルパー個体に複雑な社会性行動を生ぜしめるかを直接証明する。

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