Letter 細胞:HCV NS3ヘリカーゼのRNA移動や解きほぐしの機構とATPによるその協調 2006年1月5日 Nature 439, 7072 doi: 10.1038/nature04331 ヘリカーゼは広く存在する酵素で、DNA代謝やRNA代謝のほぼあらゆる面にかかわっている。その作用機構については最近解明が進んでいるが、これらの酵素が核酸構造の再編成とATPの結合、加水分解とを共役させる仕組みは研究が少ないために、詳しい解明がなされていない。ヘリカーゼが細胞で果たす機能の解明には、そのモータータンパク質として働く際のサイクルを個々に観察することが重要である。今回我々は、C型肝炎ウイルスのヘリカーゼ(NS3)単量体のRNA移動、解きほぐしのサイクルを、2塩基対、20 msという分解能でリアルタイム観察した。NS3はウイルスの複製に不可欠なヘリカーゼスーパーファミリー2に属する代表的なヘリカーゼで、薬剤の標的になる可能性が高い。NS3の周期的な移動はATPにより調整されて11±3塩基対の歩幅で起こり、解きほぐしは3.6±1.3塩基対というさらに小さい歩幅で、同様にATPの結合が引き金となって迅速に起こるとわかった。NS3はおそらく、シャクトリムシのような動き方をしていると考えられる。このATPと共役した機構は、細胞のさまざまな重要な機能にかかわる他の非六量体ヘリカーゼにも共通である可能性が高い。今回開発した観察方法は、核酸を移動するモータータンパク質の研究に幅広く役立つだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る