Letter 腫瘍:カスパーゼ-8欠損による神経芽細胞腫の転移の増強 2006年1月5日 Nature 439, 7072 doi: 10.1038/nature04323 神経芽細胞腫は、最もよく見られる小児の固形腫瘍であり、異常な神経提細胞より発生する。極めて進行性の高い神経芽細胞腫では遺伝子の変化が頻繁に起こる。特にアポトーシスを促進する酵素であるカスパーゼ-8の欠失や抑制は悪性の播種性疾患において広く見られるが、このカスパーゼの欠損が病気の進行に及ぼす影響は明らかにされていない。本論文では、in vivoでカスパーゼ-8の発現抑制が神経芽細胞腫の転移確立の過程で起こること、また、カスパーゼ-8の発現が欠如している神経芽細胞腫細胞でカスパーゼ-8を再構成すると転移が抑制されたことを示す。カスパーゼ-8の状態は原発巣の腫瘍増殖の予測因子とはならなかったが、カスパーゼ-8は腫瘍縁においてコラーゲン性間質へと浸潤しようとする神経芽細胞腫細胞のアポトーシスを選択的に増強した。アポトーシスは、インテグリンによる細胞死と呼ばれる過程によって起こり、結合していないインテグリンにより開始される。カスパーゼ-8またはインテグリンの欠失によって、これらの細胞はインテグリンによる細胞死に不応となり、間質の微小環境における細胞の生存が可能になり、転移が促進する。これらの結果から、カスパーゼ-8は転移抑制遺伝子であり、インテグリンと共に神経芽細胞腫細胞の生存や浸潤能を制御することが明らかとなった。 Full Text PDF 目次へ戻る