冥王星とその衛星カロンの物理的な特性からは、太陽系外縁部の進化に対する知見が得られる。これまでの計測により、両天体の質量の値は絞り込まれてきたが、半径や密度は不確実なままである。1980年のカロンによる恒星食の観測で、その半径の下限値として600 km(後に601.5 kmとさらに精密になった)という値が確立され、大気の存在の可能性も示された。その後、相互現象のモデリングからは直径範囲として600〜650 kmの値が得られ、これは1.56±0.22 g cm-3の密度に対応する。本論文では、カロンによる恒星食を複数の地点で観測した結果を報告する。これらのデータから我々は、平均半径は606±8 km、バルク密度は1.72±0.15 g cm-3、および岩石質量分率が0.63±0.05という値を得た。有意な大気は検出されず、候補となるガスに対して大気の数密度の上限値を3σで求めた。これらの結果は、冥王星-カロン系の衝突形成起源と矛盾しないように見え、形成時に前駆天体が分化した可能性がある。また、この結果は太陽系外縁で最も大きな両天体に大気が保持されている可能性を残すものである。