Article 宇宙:火星におけるオポチュニティの着陸地点での堆積物は衝突によって生じた 2005年12月22日 Nature 438, 7071 doi: 10.1038/nature04383 火星探査車オポチュニティが発見した堆積物は、水成堆積物に特有と考えられる層状構造をもち、酸性で塩分を含んだ海の蒸発による鉱物を伴っていると考えられてきた。著しく鉄に富んだ小球体は、後の地下水による変性によってできたとされ、多量の水の存在が推測されたことは、火星がかつては生命が住むのに適していたという楽観論を後押しするものであった。しかし、層状構造は水成堆積物に特有なものではなく、このシナリオでは、可溶性の低い塩と可溶性の高い塩の混在、酸と岩の反応から生じる粘土鉱物が見られないこと、小球体の高い真球度とほぼ均一な大きさ、および盆地の境界がないことを説明するのがむずかしい。本論文では、隕石の衝突によって生じた、地表を流れる岩石片乱流、塩類、硫化物、塩水、氷からなる堆積を想定する、別の単純な説明を提示する。粒子間の水膜によるその後の風化作用によって、浅海、湖あるいは表面付近の帯水層を考えなくとも、観測される特徴のすべてを説明できる。非常にクレーターの多い火星の別地点で観測され、風、水あるいは火山活動によって生じたとされている層状構造もおそらく、同様にして形成されたものであろう。もしそうならば、過去において火星に存在した生命体の捜索は、しかるべく再検討されなければならない。 Full Text PDF 目次へ戻る