Letter 細胞:Aurora BによるヒストンH3の10番目のセリンのリン酸化はヘテロクロマチンからHP1の解離を引き起こす 2005年12月22日 Nature 438, 7071 doi: 10.1038/nature04254 ヒストンは多数の翻訳後修飾を受ける。この「エピジェネティックな」標識は、クロマチン構造を調節するタンパク質を動員する場合がある。例えば、ヒストンH3の9番目のリジン残基がメチルトランスフェラーゼSuv39hによってトリメチル化されていると、ヘテロクロマチンタンパク質1(HP1)はヒストンH3に結合する。また、有糸分裂の過程では、H3はキナーゼであるAurora Bによってリン酸化も受ける。H3のリン酸化は有糸分裂の特徴であるが、その機能はいまだに明らかにされていない。ヒストンのリン酸化がクロマチンへのタンパク質の結合を制御するという考えもあるが、そのような機構はまだ知られていない。本論文では、一部のヒトの自己免疫疾患患者に由来する血清が、有糸分裂時の染色体を特異的に染色し、その抗原がH3分子で、9番目のリジンのトリメチル化と10番目のセリンのリン酸化の両方の修飾を受けているもの(H3K9me3S10ph)であることを示す。H3K9me3S10phの発生はSuv39hおよびAurora B依存的であり、多くの真核生物において有糸分裂の過程でセントロメア近傍のヘテロクロマチンに起こる。通常、大部分のHP1が有糸分裂の過程で染色体から解離するが、H3の10番目のセリンのリン酸化が阻害されると、HP1は有糸分裂の過程を通して染色体に結合したままである。したがって、Aurora BによるH3のリン酸化は、有糸分裂時のヘテロクロマチンからHP1やおそらく他のタンパク質を取り除く「メチル化/リン酸化スイッチ」機構の一部である。 Full Text PDF 目次へ戻る