Letter 物理:相関電子の極めて遅いドルーデ緩和 2005年12月22日 Nature 438, 7071 doi: 10.1038/nature04232 金属の電気伝導は、伝導電子がどれだけ自由に物質中を動けるかで決まる。この運動は、他の電子や不純物、あるいは熱励起(フォノン)の散乱に邪魔される。しかし、実験で観測されるのは、1個の電子の散乱ではなく、サンプル内の動き得るすべての電荷キャリアの全体としての応答である。この集団ダイナミクスは、外部から摂動がかかった後、この系が平衡状態にどれだけ速く近づくかを表す緩和率で記述できる。本研究では、重いフェルミオン金属UPd2Al3で周波数依存のマイクロ波伝導率を測定し、伝導率が1個の緩和率で決まる理論予想 (いわゆるドルーデ応答)で正確に記述されることを見いだした。UPd2Al3の電子間には、より複雑な挙動を生じさせうる強い相互作用があることを考えると、これは注目すべき結果である。さらに、緩和率はわずか数ギガヘルツと極めて低い。これは、標準的な金属のもの(大部分が10 THz付近になる)より数桁低く、また、同様の金属でこれまで評価された値より少なくとも1桁低い。以上の観察結果は、この物質の電荷キャリアの高い有効質量と直接関係しており、また相互作用電子のダイナミクスを明らかにするものである。 Full Text PDF 目次へ戻る