Letter

工学:商用の光ファイバーリンクを使った高ビットレートのカオス通信

Nature 438, 7066 doi: 10.1038/nature04275

カオスシグナルが、データ伝送で高レベルの堅牢性と隠匿性が得られる広帯域情報媒体として提案されている。カオスを利用した光通信の実験室規模の実証実験によってこの技術の可能性が示されているが、商用の光ネットワークを使ったフィールド実験はまだ行われていない。本論文では、商用の光ファイバーチャネルを通したカオス同期に基づく高速長距離通信を実証する。カオスレーザーで発生させた光搬送波を使ってメッセージを暗号化し、ギリシャのアテネ首都圏ネットワークの光ファイバー120 kmにわたって伝送した。メッセージの復号は、もう一つのレーザーをカオス搬送波と同期させ、搬送波とメッセージを分離することで行う。1秒当たりギガビット領域の伝送速度が実現でき、対応するビットエラー率は10-7以下になった。このシステムは、カオスの発振機と受信機用の整合した1対の半導体レーザーと、市販のファイバー通信光学用の部品で作ることができる。この結果は、決定論的カオスを利用して、現実の条件では避けられない摂動やチャネル擾乱があっても、高いビットレートで情報を伝送できることを示している。

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