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物理:グラフェンにおける量子ホール効果とベリー位相の実験的観察

Nature 438, 7065 doi: 10.1038/nature04235

電子を2次元物質中に閉じ込めると、量子ホール効果など、量子効果の際立った輸送現象が観察できる。グラファイトから分離した単一原子層からなるグラフェンは、このような2次元系を実現する理想的な物質である。しかし、その挙動は、よく研究されている通常の半導体界面における量子井戸の場合とは大きく異なると予測される。この違いは、電子と正孔が縮退し、電荷中性点付近でキャリア質量が零に近づく、グラフェンの特異な電子特性から生じる。実際、グラフェンのバンド構造が特殊なトポロジーになる結果、その電子波動関数に非零のベリー位相(幾何学的量子位相)が存在するようになり、明瞭な半整数量子ホール効果が生じると予測されている。最近、グラファイト型構造に対する微小機械的な抽出技術や作製技術が進展したため、現在、このようなエキゾチックな2次元電子系を実験的に調べることが可能になってきた。本論文では、高移動度のグラフェン単一層で行った磁気輸送の実験について報告する。電界効果を利用して化学ポテンシャルを調整すると、グラフェンの電子キャリアと正孔キャリアの両方に対して異常な半整数量子ホール効果が観察された。これらの実験結果は、ベリー位相と関係していることが磁気振動によって確かめられた。このような異常な量子輸送現象は、純粋科学的に興味深いだけでなく、炭素を使ったエレクトロニクスデバイスや磁気エレクトロニクスデバイスへの新しい応用につながる可能性がある。

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