Letter 細胞:マラリア原虫のタンパク質ネットワークは他の真核生物のものと異なっている 2005年11月3日 Nature 438, 7064 doi: 10.1038/nature04135 熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、マラリアの死亡原因の90%以上を占める病原体である。したがって、この原虫は優先すべき重要研究の中心となっており、全ゲノムのDNA塩基配列解読や大規模な発現解析、生活環の各段階におけるタンパク質の特徴を調べる研究などが行われている。マラリア原虫のゲノム塩基配列は他の大部分の真核生物のゲノム配列とかなり異なっており、コードされる5,334のタンパク質のうち60%以上は他の生物のとの顕著な配列類似性は認められない。これらのタンパク質間の機能的相互作用を系統立てて解明するため、今週号に掲載されている大規模なツーハイブリッド研究によって、マラリア原虫の1,312のタンパク質がかかわる2,846の相互作用のネットワーク地図が作成された。このネットワーク地図により、現在いくつかの生物種について入手可能な相互作用地図の数がさらに増え、また、マラリア原虫の塩基配列レベルでの相違がそのタンパク質ネットワークの形状に反映されているかどうかという疑問も生じてくる。今回我々は、マラリア原虫とモデル生物の間でタンパク質ネットワークがどの程度保存されているかを調べた。この病原体のネットワークに特異的な高度に連結したタンパク質複合ネットワークは29個見つかったが、他の生物の複合ネットワークとの間に保存性はほとんど見られなかった(酵母で3、その他は0)。総体的にみて、マラリア原虫のタンパク質相互作用パターンは、ゲノム塩基配列と同様に、他の生物種とは一線を画している。 Full Text PDF 目次へ戻る