Letter

物理:2次元電子ガスにおけるスピンクーロンドラッグの観察

Nature 437, 7063 doi: 10.1038/nature04206

固体中を伝搬する電子は、その質量と電荷の他にスピン角運動量も運ぶ。最近では、電荷を使う電子デバイスよりも、損失、サイズ、そして速度の点で優れた可能性を持つスピン輸送に基づく電子デバイス開発がかなりの注目を集めている。しかしその反面、こうした性質から新たな複雑な現象も生じる。電子はそれぞれ、1個の不変な値の電荷 (-e)を持っているので、電子ガスが運ぶ電流は単純にその全運動量に比例する。そのため、電荷流は全運動量が保存される相互作用、特に、電子同士の衝突には影響されない。対照的に、電子スピンは1つの空間方向に沿って2つの値、±h/2(通常、↑、↓で表される)をとれるため、スピン流と運動量は比例する必要はない。スピン分極の輸送には運動量保存は当てはまらないが、電荷流と同じように、スピン流も電子‐電子(e‐e)相互作用に影響されないと広く考えられている。本論文では、この仮定は正しくないばかりか、広範囲の温度と密度にわたって、2次元電子ガスにおけるスピン分極の流れはe‐e衝突率によって決まることを実験的に証明した。

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